トップタイトル<教科書が教えない歴史>

第4回授業づくりプロジェクト報告

飯島利一(國學院高等学校教諭)

十月七日(金)に、授業づくりプロジェクトの四回目の例会がひらかれました。今回は報告者が多く、盛り沢山の内容でした。レポート内容を紹介します。

●日米戦争の原因を「開戦の詔書」から考える(安達先生)
「開戦の詔勅」が小学生向けに直され、実に分かりやすくなっているのに驚き、史料の活用方法について勉強になりました。関西の授業づくりセミナーで発表する予定のレポートとのことでした。

●ヨーロッパ人の世界進出(上原先生)
『新しい歴史教科書』第25時の授業案のレポートでした。「大航海時代」にスペイン人がインディオを虐殺したというのは、イギリスによるプロパガンダ的な面が強く、史料批判の重要性が話題になりました。

●国名はNIPPON!JAPANではありません!(山田先生)
今回初めて参加してくださったのが山田先生です。パソコンを使って次々と画像を映し出し、模擬授業スタイルで、とても分かりやすい発表でした。オリンピックをはじめ、どうして正式な「NIPPON」を用いないのか、考えさせられました。

●最前線に散った連合艦隊司令長官 山本五十六 ほか(小川先生)
山本五十六、硫黄島の決戦、レイテ沖海戦を素材に、軍人や戦争について正しく評価する教材づくりをめざした報告でした。苦しい状況で戦った先人にこそ、私たちは感謝をするべきだとの指摘が印象的でした。

●映画「激突 将軍家光の乱心」(松浦先生)
生徒が飽きずに楽しめる映画を教材化した授業報告でした。時代劇のフィクションについて歴史考証をすること、武断から文治政治への転換期が映画の中から理解できることなどについて興味をひかれました。      

●見方によって変わる歴史「支配・被支配関係」をどう見るか(飯島)
江戸時代の社会のしくみ、武士と農民の社会関係について、二つの教科書を実例にして歴史像が異なることを理解させる、さらに「貧農史観」の批判を試みました。が・・・。

●最後に特筆すべきは、全国戦災犠牲者平和慰霊碑の建立を求める署名活動に尽力されている滝保清さん・石塚和子さんが、会にお見えになったことです。慰霊碑建立の趣旨を説明されたあと、「これは本来、国がやらなきゃいけないものです」と熱く語る滝さんの表情が心に残りました。日々の授業などを通じて、漠然と浮かんでくる授業のアイディアを形にすることは実に楽しい作業です。今回も藤岡先生はじめ諸先生方に貴重なアドバイスをいただき、またいろいろ工夫されたレポートに大いに刺激を受けました。参加するたびに、授業づくりのモチベーションが高められます。

授業案をつくると言っても、周囲には左翼的な情報ばかりがあふれているのが現状です。その意味で、この授業づくりの会は、真の歴史教育を考えることができる貴重な教材研究の場ではないかと思います。
ちょっと僭越な言い方かもしれませんが、同志≠ノ会いに行くような気持ちで、私はこの会に臨んでいます。皆さんも、授業づくりについて、いっしょに語り合いませんか。