日本の国旗と国歌がこんなに大切なものだったとは。他の国の人と同じように、私もこれから国旗国歌に敬意をはらいたい」という感想が出る今どきめずらしい、でもごく当たり前の実践! 1 はじめに その国の独立や主権を目に見える(耳で聞ける?)形で表わしたものが国旗・国歌である。国旗・国歌はその国そのものというのが国際認識だ。 また、国旗・国歌にはその国の建国の理想や願い、さらには国民性や宗教などさまざまな意味が込められている。それゆえ、どの国でも学校教育の一環として国旗・国歌教育を熱心にやっているのである。国旗・国歌に対する正しい理解は「国際理解教育」には欠かせないものと思う。 作家の曽野綾子さんが『起立するのが友情を表わす行為』という題で、こんな内容のことを書いているのを読んだことがある。 我が国からはるか遠く、言葉も通じない、文化・習慣・考え方も全く違う人々の暮らす国(しかもその田舎)に行ったとする。部族の言葉だけが通じる世界だ。 例えば、アフリカには外国人がにっこり笑うことによって、その悪魔の目から害を加えられたと解する考えを持つところもあるとのこと。気安く他人と握手など決してしないような文化の国もあるかもしれない。曽野さんは、にっこりすれば友情が示せると思うのは甘いという。 そんな国で、どうすれば「私はあなた方の敵ではないのですよ」「私はあなた達と仲良くしたいんですよ」と理解させられるだろうか。それは、ただその国の国旗・国歌に起立して正しい態度で接し、敬意を表することしかない、というような話だ。曽野さんの豊富な海外経験に基づいた体験談は説得力がある。 国旗・国歌に敬意を表わすのは、国際交流の場で最低限守らなければならぬ世界共通のマナーである。我が国の若者は、国際化時代だからこそ、この事実を知らなければならない。また、我々教育者は、この事実をしっかりと生徒に教える義務がある。日本国民が国際社会でみすみす大恥をかくのを放置していてはいけないだろう。 ところが、悲しむべきことにというか、案の定というか、我が国の教育現場で世界標準の正しい国旗・国歌教育が行なわれているとは思えない。事実、私もそのような授業を目にしたことが無い。 実際に目にするのは、手放しのグローバリズム万歳論。国際理解教育と銘打った反日教育。すなわち、日本が悪かった式の在日への謝罪&同情教育。世界は広いにもかかわらず、なぜかテーマはキンリンショコクに限定され、結局はチャイナ・コリアへの賛歌。そのレベルも低調で、みんなで仲良くキムチを作って食べれば、朝鮮文化を理解できるわけもあるまいに…。 中には国際的視野も広く、充実した成果が期待できそうな取り組みをしている学校もある。 しかし、そこから一歩踏み込んで、生徒たちが自国への敬意と誇りを持つことができるような工夫までいたっているか、といえば、果たしてどうだろう。 以下は中学二年生対象の地理「世界の国々」における授業実践報告だが、公民で扱っても良いと思う。今回、時数は三時間扱いである。 2 授業の流れ ●教師の発言 ○生徒の発言 【第一時】 T導入〜パラオ共和国の国旗の意味を知る ●今日は、国旗と国歌の勉強をします。 この国旗はどこの国旗ですか。 (黒板に「日の丸」を書く。ただし、色はつけない。要するにただの長方形の中に丸を書いただけのもの)。 ○日本の旗!(日本、日本の連呼の中)、 ●そうだね、良く気が付いたね。バングラデッシュも我が国の国旗と良く似ていますね。赤い日の丸に周りの色は何でしたか? ○緑色です。 ●正解。実はもう一つ、日の丸と良く似た意匠の国旗があるんですけど、知っている人はいますか。 ○韓国。 ●うーん、確かにそれらの国も似てますね。でも、もっとそのものズバリって形の国旗があるんですけど…。これなんですけどね。 (と言って、空色の地に満月の月章旗「パラオ共和国」の国旗を取り出す。へぇー、こんなのがあるんだ、と興味津々の目で見つめる生徒たち) ●これは、どこの国旗か知ってますか。 ○初めて見た。 ●これは「パラオ共和国」の国旗です。この国は一九九四年にアメリカから独立した新しい国です。どこにあるか知っていますか。 ○? ●世界地図を見てみよう。日本からまっすぐ、ずっと南に下りていった赤道のちょっと手前にパラオはあります。淡路島ぐらいの小さな島国です。人口も二万人程度しかいません。 ●さて、さっき言ったようにパラオはアメリカの統治から独立したわけですが、その前は、どこの国の統治下にあったか知っていますか。 ○イギリス! フランス! ドイツ!(と、結構適当である) ●あぁ、確かに最初はドイツが統治していました。その次にパラオを統治したのは、何と日本だったのです。 (生徒、驚きの声) ●パラオはドイツ、日本、アメリカと支配されてきました。そして、ここにきて独立することになった。で、国旗を決めなきゃならない。そこで、国民に募集します。その結果、圧倒的多数でこの形になった、といいます。 ●さて、なぜパラオの人たちは日の丸をモデルに国旗を作ったのだと思いますか。 ○日本が好きだから。 ●大体あってます。我が国は、パラオが日本領だった時、南洋諸島といわれるこの一帯に多くの人を送り、経済・文化両面にわたってその発展に尽くしました。だから、パラオには今でも日本に感謝している人々が多いのです。
●パラオ国旗の空色は何を表わしていると思いますか。 ○空の色。 ●あの南のきれいな海の色を表わしています。では、真ん中の黄色い丸は何を表わしていると思いますか。 ○太陽。 ●うーん、ちょっと違います。太陽と同じく、空に輝く丸いもの。夜にお目にかかれます。 ○月。 ●そうですね。南洋ですから、さんさんと輝く太陽を想像しがちですが、実はこの月にも深い深い意味が隠されているのです。どういうことでしょうか…。では、ヒント。月はどうして輝いてるのかな?自分で光っているのかな? ○太陽の光を反射して。 ●じゃぁ、その太陽の国って言ったらどこ? ○日本だ! ●そう。太陽の国・日本に照らされて、我がパラオは光り輝く。すなわち、日本という国を鏡にして国づくりをしていこうという願いが込められている、という話を聞いたことがあります。 ○そんな国があったのか! ●こんな国が世界にあるなんて、どう思う? ○なんかうれしい。 ●ここまで、日本に深い思いを寄せている国があるわけですから、我々日本人も恥ずかしいことはできませんね。立派な国にならないといけませんよね。
ちょっと長いが、ここまでが導入である。 U 韓国教科書に見る国旗・国歌教育 プリント(資料1)を配布する。 ●これは、韓国の小学校一年生の教科書「正しい生活・礼儀」の中の写真をコピーしたものです。日本でいうと「道徳」の授業のようなものです。 ●では、問題。 この韓国の教科書は国旗・国歌に対する心構えを説明したものです。何て書いてありますか?
(断片的でも良いから、絵からわかることを次々と答えさせていく。それでも生徒からはいい線の答えが導かれた。例えば、「胸に手を当てること」「気を付けをすること」「きちんと整列すること」「荷物を置くこと」「自転車から降りること」など) ●いろいろな答えが出ましたね。では正解を書きましょう。プリントの( )の中に書き入れてください。 ●この章の題名は「国を愛する」です。国旗や国歌に正しい態度で接することは、そのまま「国を愛する」態度を表わすと考えられているのです。 (ここで一人の女子から「何でそんな面倒くさいことするの」と不満を含んだ声が出た。「日本はそんなのやらなくていいから良かった」とも言った。「そうかぁ。日本ではやらなくて良いのかなぁ」と私) V 国旗とは何だろう ●では、なぜ国旗・国歌に対してこのようなあらたまった態度で臨まなければならないのでしょうか。そこを説明しましょう。 ●国旗は単なるマークではありません。国を代表するものです。ですから、国の施設をはじめ、国連の本部や各国大使館などにひらめいているのです。 ●国そのものを表わすシンボルだからこそ、敬意を態度で表わすわけです。また、正しい国旗への態度を通して「国民であることの自覚」を身に付けていくのです。 (ここで、いくつかの例を紹介した) ・自国の領海以外を通行する船舶は必ず自国の国旗を船尾に掲げることが国際法によって決められている。そうしないと不審船とされて攻撃されても文句が言えないということ。 ・世界中、国の祝祭日には自宅に国旗を掲揚して、祝意を表わすのが習慣であること。 ・国旗を尊重する姿勢は小学校の段階から学校で、また、家庭でしっかり身に付けさせていること。 ・イギリスに転勤した商社マンの子供がロンドンの小学校から入学を断られた。その理由は入学試験の時、日本の国旗が書けず、国歌を歌えなかったから。 ・独立運動や民主化運動の先頭には必ず国旗が掲げられていること。 ●もう一つ、大事なことがあります。 ●どうしてでしょうか? (また、いくつかのエピソードを紹介) ・オリンピックの表彰式で、アメリカの国歌が演奏されて国旗が掲揚された時、観客が全員起立している中、日本から卒業旅行で来ていた高校の先生と生徒だけが座ったままで、周りの人々からひんしゅくを買ったこと。 ・韓国では国旗降納の時間、午後六時になると都市のスピーカーから韓国国歌が流れる。町行く人々は皆立ち止まり、国歌が終わるまで起立して頭を下げていること(外国人も当然これに習っている)。これが毎日の日課であること。 W 我が国の国旗「日の丸」とは ●では、我が国の国旗「日の丸」は何を表わしていますか。 ○お日さま。 ●なぜお日さまなんですか? ○太陽は大切だから。 ●そう、大切だね。昔、日本のことをなんと呼んでいたか覚えていますか。ほら、聖徳太子が…。 ○日、出づる国! ●我が国は太陽の昇ってくる国です。のちに「日の本」とも呼んでいたね。さらに、我が国の神様で最も偉い神様の名前は?女性だったよね。 ○天照大御神! ●太陽の神様だった。このように我が国はずーっと昔から太陽を尊い存在として崇めてきました。旗印としては、すでに後醍醐天皇の頃(鎌倉時代)には日の丸は用いられています。 ●さて、実はこの太陽をモチーフにしたというのは、大変な理想を込めているんですよ。太陽は光を当てる際に、人を選んで当ててますか? ○いいえ。 [板書] ●全ての人に平等に恵みを与える。そんな国になりたい。また、そんな国民でありたいという願いが、日の丸には込められているのです。どうですか。この理想は? ○すごいと思う。 ●そうですね。日の丸のあらわす理想的な国になるように我々日本国民はがんばらなきゃいけないね。 (ここまで第一時) |
